近衛読書中隊

挙措において簡素 言語において細心 熱狂において慎重 絶望において堅忍  

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今日はセンター試験ですね。筆者も8年か9年前に受けました。その年は問題が異様に簡単で9割近く取れた記憶があります。まあとにかく試験というのは終わった事を後に引き摺らないことです。ポジティブ思考で頑張ってください。

さて昨日に引続き100年前の話ですが、多大な損害を出しながらやっとの思いで旅順を落とした乃木将軍の第三軍は、1月13日の入城式、翌日の慰霊祭を終え、休む間もなく北上を開始しました。旅順攻略と乃木将軍の統帥に関しては、既に多くの本が出版され、その議論はいつ果てるとも知れません。現在もっとも有名な乃木将軍像といえば『坂の上の雲』におけるそれでしょう。何といっても国民作家とまで言われる方の著作ですから、その影響力は計り知れません。一方この司馬氏の愚将乃木像に対抗して、新たな乃木名将論も勃興してるようです。この問題はデリケートで、多分に感情論に陥りやすく、非常に扱いづらい問題なんですが、こういう場合はまず基本に立ち返る事が大事。というわけで今日紹介する本は、谷寿夫著『機密日露戦史』です。
この本は昭和41年に原書房から出版され、大きな話題を呼びました。司馬氏にも大きな影響を与えたと思われます。去年再版されましたので、名前は聞いた事があるという人も多いでしょう。

まずこの本の来歴ですが、著者の谷寿夫氏は陸士15期を卒業した陸軍軍人で、陸大では恩賜の軍刀を賜り、最終的には陸軍中将となった方です。この本は谷中将が陸大の兵学教官を務めていたとき(大正13年2月~昭和2年3月)、専攻科学生に対する講述で使用したテキストです(陸大や専攻科学生にかんしてはここを参照してください)。谷大佐の講述は一口で言えば日露戦争における政戦両略を論じた「戦争指導史」であり、その内容は終戦まで部外秘とされたそうです。”世上は日露戦争を世紀の大勝利としているが、内実は大本営も軍司令部も多くの錯誤を犯しており、その勝利は薄氷を踏むようなものであった。我々軍人は勝利の美々しさに惑わされる事なく、むしろ失敗点を研究反省し、次の戦争に生かさなければならない”というのが、谷大佐の授業の要旨ではなかったかと私は愚考します。
勿論”これ一冊で日露戦争はOK”などとは言えませんが、しかし日露戦争を知る上で絶対に欠かせない本であることは間違いありません。せっかく再版されたことですし、是非手にとって見てください。

さて・・・・一部でですが、この谷戦史はアンチ長州閥の意向を受けたもので、乃木将軍をいたずらに誹謗するものである、という様な事を言う人がいます。中には今村均大将の回顧録まで引き出して。私はこういう人たちにかける言葉を知りません。陸軍の派閥史をここでだらだら書く気はありませんので、この問題はこれ以上深入りしませんが、この本は決して乃木将軍を貶めるようなものではないです。乃木愚将像は、この本を読んだ作家が勝手にひねり出したもので、私はあれを全否定するわけではありませんが、やはりフェアとは言えないと思ってます。まあとにかく、この本は無罪です。変な先入観は持たずに読んでください。

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