近衛読書中隊

挙措において簡素 言語において細心 熱狂において慎重 絶望において堅忍  

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『中国の中の日本人』 梨本祐平 1969 同成社

読もう読もうと思いながら後回しになっていた本。

著者は国民新聞の記者から満鉄に移り、さらに松岡洋右の斡旋で
聯合通信社の政治部記者に。昭和10年、再び松岡の命で満鉄に
呼び戻され、華北に。華北では支那駐屯軍の嘱託として、
盧溝橋事件に遭遇し、通洲事件では危うく難を逃れ、
中華臨時政府の設立に関わり、王蔭泰を説得して引き出した。
汪兆銘工作には、海軍側の依頼で加わり、そのまま国民政府で
食料計画などを担当。その後北京に帰り、身柄を満鉄から
華北交通に移すと、食料集積計画を担当するも、昭和19年12月、
突如、共産党員の疑いをかけられ、憲兵隊に逮捕される。
終戦で一旦娑婆に戻るが、今度は国民党に中国侵害罪で逮捕され、
死刑判決を受けてしまう。

本書は著者の中国での20年近くに渡る生活の回想録であり、
内容的には、中国を侵略する日本軍閥の有様と、日中友好を
願いながら、思うに任せず苦悩する主人公(著者)、
という割合ありふれたものである。満洲事変前に石原莞爾と
知り合い、その日本軍人離れした思想に感銘を受けるというのも
よくある話だが、一応実話であろう。藍衣社に暗殺されかかった
ところを、昔助けた美人の中国共産党員によって救われるなど、
事実は小説より奇といったところか。そういえばこの人、満洲に
渡るのも、婚約者ある女性との恋に破れたことが原因であったし、
最後に命を助けてくれるのも、親しくしていた中国人姉妹で
あったし、中々の艶福家です。

面白かったところは、盧溝橋事件前の支那駐屯軍司令部内の
ぎすぎすした様子が描かれているところとか、唐紹儀暗殺の
内幕とか。
それから松岡洋右に関する記述も興味深い。やはり松岡はある種の
天才ではあったなと思う。

一つどうしてもわからないことは、本書のある部分が、
田村真作の『愚かなる戦争』という本と極めて似ているという
こと。引用しているというわけではなさそうだし・・・
う~ ん・・・わからん・・・
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